ホワイトデーのお返しは、
　　　　このバッグと薔薇の花束で決まり。
　　　　重いって言われないかな……

　　　

[ホワイトデーのお返しも兼ねて
お付き合いをさせてもらっている薫子さんとデートをする事になった……いや、した。
少し他人行儀になることもあるのは仕事の関係だった名残か
それでも今は距離が近く出来ているとは思う。

3月と春が見えてくる季節だが
今日は特に寒く、ちらほらと白い雪が舞っていた。
厚手のコートに灰色のマフラー。
手袋もしていたのだが、彼女と手を繋ぐために外していた。]


　　それは良かった。
　　気合いを入れた甲斐はあったかな？

[彼女とのデートは悩みながらも選び
その甲斐はあったようだ。
しかし雪は想定外。
家にこれから向かうが、少し早めに彼女を返してあげないと
終電が無くなってしまうだろう。]

　　それと今日は雪も酷いみたいだから
　　早く帰らないとね。

　　……それか、良ければ
　　泊まっていくかい、薫子。

[雪の寒さで少し赤い顔を
さらに赤らめながら彼女に聞いてみた。
女性を泊める、というのは初めての経験だ。

少し気が早いかなと思いつつ
どちらにせよ家でもてなすのは変わりない。
遠隔で暖房を入れたマンションの一室は
帰った時には暖かく出迎えたくれただろう。]

　　コート、かけるよ。
　　……可愛いワンピースだね。

[家についてコートを掛けようとした時
彼女の外套の下から現れた服のことを見て
可愛いと伝え、それから彼女の頬にキスをした。

少しこなれ過ぎているだろうか。
同僚がしていたのを真似してみただけなのだが
やや恥ずかしい]*

　　　久人さんが手袋をしていると、かっこよくて、
　　　モデルさんかと思ってしまうので、
　　　ずっとつけててほしいかもしれない…。
　　　でも、手を握ってくれる温もりはそれ以上。

　　「ぁ、っと………おとまり、…したい、な？」

　　　卑怯です！私は、そんないい子じゃないので、
　　　ご提案には素直に肯定を示します。>>1
　　　でもやっぱり恥ずかしくて、
　　　名前も呼ばれてしまっては、
　　　身を寄せて答える他ありませんでした。>>2

　　　「ありがとうございます！
　　　　久人さんに喜んでもらいたくて、
　　　　沢山探したんです。ん、…」

　　　頬にキスなんてむず痒い。>>3
　　　なんでもスマートにこなしてしまう彼。
　　　素敵な人とお付き合いできているんだなって
　　　ひしひしと感じてしまうのですよ。

　　「どうして、そんなにかっこいいんですか？
　　　毎日久人さんのことが、好きになって…
　　　ずっと頭から離れないんです…」

　　　お酒が入ったわけでもないのに、
　　　おうちの中だから気が緩んだのかも。
　　　久人さんが近くに来てくれたら
　　　そっと身を寄せて、好きのアピールを。
　　　今日のお洋服、中がベージュサテンだから
　　　一瞬驚くかなって期待してたんです。
　　　久人さんはこれくらいでは驚かない、のかな。*

　　……良かった。
　　少し緊張したよ。

[>>5彼女が泊まりに了承してくれれば
ほっ、と安堵の息を吐く。
なぜかと言えば少し大胆な提案だと思っていたからだ。
恋人関係になったとは言え、家に招くと言うのは
また一つ壁を乗り越える必要があるイメージだったから。]

　　そうなのかい。
　　可愛いと思うし、私の好みだよ。

[>>7薫子さんが着ていれば
何を着ていても可愛いし綺麗だとは思うのだが
それだけだと味気ない言葉になるので
一言付け加えておいた。]

　　いや、そんな事はないと思うのだけど……
　　そう思ってくれるのは嬉しいよ。
　　薫子のことは毎日好きだと思っているよ。

　　……今日は少し大胆だね？

[彼女のコートの下の服は
初め見た時に肌が透けているのかとびっくりしたものだが
勿論そんな筈はないと思い返せば
ベージュ色の肌着だった様子。

しかしその色を見てると
ベッドの中で見る彼女の肌の色を思い出して
少し頬を赤らめてしまうのは致し方ないだろう。
明るいところで見たことはないのだから。]

[ささっ、と家に上げて
普段から家の中は片付けているので
自動掃除機の手も借りつつ清潔感は保たれている。

……が、自分も浮かれていたのか
そう言えば片付けていなかった、と
リビングにはこたつが出されたままだった。
まだ寒かったから、と片付けていなかったのだ。]


　　なんだか恥ずかしいところを見せてしまいましたね。
　　一応……温かくて良いんですよ？


[彼女に見せるならもっと洒落たものだっただろうか。
ソファなども無いので他の家具と比較すると
リビングだけ和式感が強めではあるのだが]*