最後に、貴方しか聞こえない声で囁く。

「」

「……っていう扱いしておいた方がいいでしょ？
　変に疑われるのも嫌じゃない。」

　いたずらっぽく笑い、囁き返すのだった。

「ハンカチありがとね。後で洗って返すから」

「そうですね、それはそうでした。頭が回らないと困りものですね〜。
"今回の"死体は私関与していませんが……たしかに動きにくくなるのは嫌です」

くすくす。小さな笑い声。

「いえいえそれはお構いなく。返すのはいつでもいいですよ。
……まあ。何はともあれ。知らない人の死体なんて別にどうでもいいですが……お世話になっているルヴァさんが心配だったのは、本当だったんですからね？」

その言葉を紡ぐ時だけは、女の瞳には嘘偽りない光が宿っていた。

「少々いいか？『モス』」

人の気配が消えたタイミングでひっそりと声をかける。

「やっほー。『ラム』。
　俺に何か用？」

　周りを見渡してから、あなたに返事をした。