【人】 傭兵団長 ダイゴ[店通りまで戻り、裏路地に入り込もうとする『それ』に追いつくため、低い壁を蹴って軽く跳躍を用いて速度を上げる。己の着地と同時に『獲物』は道を立ち塞がれたことで一瞬の怯みを見せた。すかさず、右手を前方へ伸ばす。 手の中で、フギャイ、と『それ』からはなんとも不細工で情けない声が発せられた。同時に口を開いたことによってぽとりと口元にくわえていたものを落とす。 それは、キジトラ柄の猫だった。] …化けるなら盗むものは選べ。 塩漬け瓶など即座に持っていく訳ないだろう。 [国の人間、余所者、ヒューマン、獣人。 とりたてて差異を感じないのは、大方二足歩行が多くを占める為だろう。どんなに獣の特性を持ち合わせていても、大方ヒューマンに寄っている方が多い印象を受ける。 だからこそ小さな野良猫による窃盗などもままあるのだが、捕まえた猫が野良猫――ましてや猫で無いことも知っていた] (53) pikeP 2021/04/15(Thu) 6:06:12 |