あなたのお話　な　ぁ　に　？

［

　　これは、運命の出会いだった。

　　特になんというわけでもなく
　　息抜きにいつも通りのサイトを使っただけ。
　　女の子とエッチがしたかったから。
　　気持ちがいいことをしたくて
　　いつのも場所にいたら、出会ったんだ。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　］


　　　初めまして！
　　　ぼくもう少し仕事しなきゃいけないから
　　　シャワー浴びたりルームサービス選んだり
　　　好きにしててくれる？

［

　　明るい笑顔で部屋の中に入ってきた
　　はじめての女性に声をかけて
　　パソコンの画面に視線を戻した。
　　多分メガネをしていたはずだから、
　　目が悪いとか思われたかもしれない。
　　声をかけた内容に彼女はどんな反応をしたかな。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　］*

　　　海斗くーん、そろそろ学校いこう？

［　お隣に住む、幼なじみの彼にまりんは声をかけます。
　　これはまりん、こと私、井達海と
　　幼なじみの汐見海斗くんの
　　小さい頃からの会話のひとつなのです。

　　たしか、幼稚園の頃からずーっと
　　まりんと海斗くんは学校が一緒で、
　　絶対離れると思っていた大学も一緒になりまして！
　　授業も一緒のものなので、登下校を
　　2人でするという小学生の頃からのお約束も
　　大学生になっても継続中なのでした。

　　海斗くんは、いつのまにか背が高くなって
　　まりんはいつも見上げなければいけません。
　　かっこいい海斗くんは、どうしてか。
　　ずっとまりんと一緒にいてくれるのです。　］*

［　都内某所。
　　今日はとある私立大学の合格発表日。
　　そこに車を横付けにして、
　　ブレザー服を着た女子高校生を
　　エスコートする1人の男性。
　　ボード前に来たけれど、
　　女子高校生が数字を見つけるまで
　　彼は下を見て反応が何かあるのを待った。

　　そしてきこえた歓喜の声。
　　顔を上げて隣を見れば、合格していたらしい。
　　手元の受験票の番号とボードの一角の番号が
　　一致しているのを彼が確認すると、
　　彼女を抱きしめてたくさん褒めよう。　］


　　　　　理子…………よく、頑張ったね。
　　　　　さ、早く手続きをするためにも
　　　　　うちに帰ることにしようか。


［　本当は、その場で口づけまでと思ったけれど
　　女子高校生に手を出していると思われては
　　元も子もないため、彼は少し自制した。
　　でも、車の中に戻ればその自制もすぐに外れ
　　唇を重ねて、彼女を帰宅までの間たくさん労った。　］*

[
　　それは、最悪の出会いでした。

　　初めての彼氏に振られて傷心していた私は、
　　とあるサイトを出来心で利用してしまったのです。
　　振られたことへの悲しさを、寂しさを
　　埋めてくれる人と出会えたらいいと思ったから。
　　見ず知らずの人と気持ちよくなるようなことをすれば
　　忘れられるかもしれない、と。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　]

　　　　は、はじめまして……。サクラ、です。
　　　　お仕事、ですか……。え、と…お名前、は……？

[
　　……この人慣れてますね。
　　私なら初めましての人が来ると分かっていたら、
　　仕事なんて手につきません。
　　現に今も、シャワーやルームサービスを利用するでもなく
　　そわそわとしてしまっています。
　　でも、この人は自室かのようにお仕事をしているようです。
　　……遊び人、なのでしょうか。
　　そうなるとメガネも伊達だったり……
　　いえいえ、流石に偏見が過ぎます。
　　きっと目が悪いんでしょうね。
　
　　サイトで使った名前を名乗りつつ、
　　ひとまず、名前を聞いてみましょうか。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　]*

　　　
　　　　待たせてごめんな？
　　　　遅刻はしないだろうけど…行こうか

［　隣に住む幼馴染の彼女、まりんに声をかけられて
　　大学へと向かうところ。
　　まりんと俺は幼稚園から一緒にいる幼馴染。

　　　　　　　　　　　　・・・
　　……一緒にいることを選んだ、幼馴染。
　　確かに始まりは偶然だっただろうけど、
　　大学の学部、講義まで同じなのは偶然…？
　　まさか、そんなことがあるわけがない。
　　まりんが偶然って思ってるのは可愛いなと思うけど。

　　一緒に登下校するという約束もずっとそのまま。
　　並んでいたはずの背はいつの間にか差がついてた。
　　明るくて可愛くて、ずっと一緒にいたい
　　好きで好きでたまらない子。
　　いつ、この想いを伝えればいいのか
　　悩み過ぎて、今に至るわけだけど。　］*

［　都内某所。
　　今日は、運命の日なのです。
　　というのも、第一志望の大学の合格発表があるから。
　　合格のために沢山勉強したので大丈夫…
　　だといいのですけれど…。
　　ボード前までエスコートしてくれるのは、
　　身寄りのない私を引き取って
　　面倒を見てくれている清玄さんです。
　　私と一緒にいるのが信じられないくらい、
　　素晴らしい方なのですよ！
　　
　　手元の受験番号とボードの番号を照らし合わせていきます。
　　……！見つけました！！　］

　　　　みつけた！見つけました！！
　　　　合格ですー！！

［　喜んでいると、清玄さんも確認しているようで、
　　間違いでないと分かると抱きしめられるのです。
　　たくさん褒めてもらえるのは大好きですし、嬉しいのです。
　　褒めてもらうために、たくさん努力しましたからね！
　　出来たらキスも欲しいなと思ったのはわがままでしょうか。
　　ちょっと残念に思っていたのですが、それは杞憂でした。
　　車の中でいーっぱいもらえたんですよ！
　　頑張って本当によかったなあって幸せに思いながら
　　帰途につくのでした。　]*