
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ小さいさんのおうちはどこ? どこかに行くところだったのか、帰ろうとしてたのか。 だれかと一緒ではなかった? [魔術師はしゃがんだまま問いかける。 子どもの身なりはみすぼらしくはない。 口減らしに棄てられたという訳ではなさそうだが……*] (24) 2026/04/02(Thu) 21:35:06 |
![]() | 【人】 謎の子ども[ 乾いた音と一緒に光が弾ける。 目の前の大人は自分と同じ存在という証左だったが、 子どもはそれを理由に警戒を解く仕草はなかった。 解くだけの警戒心がなかっただけである。 ] すんでるの? にんげんみたい、おうち。 [ 目を凝らしたら、と教わったとおり 星間のような凪いだ双眸には魔術師の家が見えた。 人間の家みたいだと言い放った子どもの顔は、 自分の目で見てきたものを思い返すというよりも 器に宿った知識を掘り返しただけのようだ。 ] (26) 2026/04/02(Thu) 22:09:50 |
![]() | 【人】 謎の子ども[ 問われ、子どもは首を傾げる。 「うーん」と大人ぶって暫し沈黙の音を沈め、 遅れて口を開いた。 ] おうち、あそこ。 [ 指差したのは前でも後でも左右でもなく、 魔術師ですら遠い、空に横たわる星雲だった。 空に鎮座し燦然と煌めく星々は、 その身を燃やす焔を光のように地上へ届けている。 星、或いは輪廻する魂の通り道。 天に座する光を「家」と称する子どもの顔は、 少なくとも、嘘でも適当でもない。 ] (27) 2026/04/02(Thu) 22:09:57 |
![]() | 【人】 謎の子どもいっしょ、わかんない。 でも、ゆめ、みてた。 なんだっけぇ…… [ ぐぬぬと雲隠れした記憶を手繰るうちに、 ふと、子どもは魔術師を見て瞬きをした。 長い髪、綺麗な瞳、甘そうな色の肌。 高くもなく低くも聞こえない声。 じろじろと不躾に、無遠慮に眺め、眉を寄せる。 ] おっきいひと、どっち? [ 男か女かを聞いているのだが、 子ども特有の端折り方や不足する語彙力では 謎の質問にしかなっていないかもしれない。* ] (28) 2026/04/02(Thu) 22:10:06 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ[仕草は幼児のそれであるが、精神はずっと大人びている ように見える。 魔術師は長命だから、幼く見えて実際はそれほど 「小さいさん」ではないのかもしれない。 現に、姿を捉えた住処を称して「にんげんみたい」と 魔術師が人間ではないことを既に理解していなければ 出ない表現をしている。>>26] 人間の真似をしてつくったからね。 魔獣の住処を真似たこともあるけど、この器は 濡れた地面に直接寝るには向いていない構造だったから。 [にんげんみたい、と言えるのは人間の住処の形状を 知っていないと言えない。 やはり人間の中で育てられたのだろうかと思っていれば] (29) 2026/04/02(Thu) 22:36:14 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒあそこ……ああ、 [魔術師は瞬いた。 ああそうか。 自分も、かつていた場所だという確信がある。 どんな場所か、他に誰かいたのかすら思い出せないけれど。 物理的に、異なる星の土地を指しているのではなく、 現世においては目を凝らしても上手く見られない場所。 あそこから零れてきたのか。] (30) 2026/04/02(Thu) 22:36:31 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ[艶のある髪、星が棲む瞳、甘そうな色の肌。 子ども特有の高めの声と少し舌足らずの発音。 忙しなく動く瞳に身体がスキャニングされているのを 感じた。 その上で「どっち」と言うのなら、所謂「性別」のことだろう。 ふ、と笑う。] どっちもだよ。 おとうさんにもおかあさんにもなれるの。 [生殖器官は後付けした記憶がある。 元々は無性だったのかもしれないが、人間を観察する内に 性器に興味が湧いてつけることにした。 慾は感じたことがないが、恐らく機能としてはどちらも 問題なく使用できる筈。] (31) 2026/04/02(Thu) 22:36:51 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ思い出せない夢なら思い出さなくて良いよ。 おっこちて来たなら、もうあそこには暫く還れない だろうしね。 とりあえず、「こっち」では、小さいさんが一人だと 色々面倒なことが起きそうだから、わたしの子になる のはどうだろう? [魔術師はしゃがんだまま両手を広げた。 観察で学んだ人間の親子が愛情を確かめる為にする 動作を真似たのだが、子どもには通じるだろうか?**] (32) 2026/04/02(Thu) 22:37:15 |
![]() | 【人】 謎の子ども[ 魔獣の住処は肉の器には向かないらしい。 子どもは新たに仕入れた知識へ、したり顔で頷いた。 あの種族は住処や巣穴の作り方も多岐に渡る生き物だが、 人間なら程度の差はあれ大枠は同じだ。 濡れた地面に寝てみたいという欲は湧いたが、 それについては口を噤むことにして。 ] おほしさま、きらきら。 おはなし、いっぱいしてたの。 [ どんな話をしていたかなどは憶えていないが、 夢想めいた言葉を、幼子はそれでも懸命に紡いだ。 子ども特有の突拍子のない妄想癖だと言われないのなら やっぱりこの人は、己にとっての安全地帯に見える。 ] (33) 2026/04/03(Fri) 14:13:02 |
![]() | 【人】 謎の子どもどっちも? [ 質問の意図は正確に汲み取られたらしい。 が、どちらでもあってどちらでもないと言うことは、 子どもの知識欲は然程は埋まらなかったようだった。 ] じゃあ、あなた、どうよぶの? おなまえ、ある? おめめきれいだから、きらきらさん? [ 恐らく──というより確実にそんな名前ではない。 目に映った喩えやすいものを口にしただけだ。 好奇心のままに指先で相手の両目をついてしまいそうな、 そんな幼さが子どもにはあった。 が、さすがに幾ら綺麗でも人体の目は取り外し出来ない。 少なくとも、普通に触れるだけでは。 本能的な理解のまま、子どもは指だけ彷徨わせる。 ] (34) 2026/04/03(Fri) 14:13:10 |
![]() | 【人】 謎の子ども……かえれないの? [ 子どもはそこでようやく泣きそうな顔をして、 顔を上げ、空を見た。 いくら待とうが星々の囁きは聞こえては来ないし、 月雲の秘めやかな声だって鼓膜を揺らしはしない。 途端に心細いような気持ちになり、 胸元をぐしゃりと握りしめ、子どもは俯いた。 さっきまで意気揚々と道を進んで冒険する気があったのに 今は潰えた夢のような淡さでしか、 好奇心が残っていない。 が、子どもがその不安のまま泣き出すよりも先に、 魔術師が両手を広げたのが視界の端に映って 子どもはもにょもにょと唇を動かし、それから頷いた。 ] (35) 2026/04/03(Fri) 14:17:48 |
![]() | 【人】 謎の子どもおせわ、なる。 あなた、きっと、いいひと。 [ それは魔術師長に対する魔術師の本能なのか、 或いは器の導きなのかは、子どもにも分からなかった。 広げられた腕の意図を確かめるように見つめ、 なぁに?とばかりに首を傾ぐ。 子どもは相手の準えたものなどなにも知らないまま、 懸命に両手を広げ返し、相手と自分の手のひら同士を ぱちん!と重ね合わせようとした。 が、当然大人と子どもでは広げる範囲に違いがある。 勢いのまま前に蹴躓き、「ぁわ」と間抜けな声が出た。** ] (36) 2026/04/03(Fri) 14:21:47 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ[子どもと自分は同じ場所由来だという確信はあるものの、 子どもの言う「おほしさま」「おはなし」については 何も思い出せない。 人間にも胎内記憶がある者とない者とがいるらしいので 憶えていないのは個性だと片付けることにした。 勿論、子どもの話がつくり話だと疑う気持ちは微塵もない。 うんうん、と子どもの話に相槌を打つ。 元いた場所は子どもにとってとても居心地の良い場所 だったのだろう。 空の彼方について話す子どもの瞳は夜空の星をそのまま 埋め込んだようにきらきらしていた。] (37) 2026/04/03(Fri) 21:30:11 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ[星の仔は人間の子と同じように好奇心旺盛であるらしいが 星に知識を置いてきたのか、それとも単にまだ身にある 情報量が少ないのか、両性具有についてはピンと きていない様子だった。] わたしに名前はないよ。 そういえば、友達にも聞かれたんだっけ。 群れにいるなら区別する為の名称はあった方が 便利だろうけど、ひとりでいるからね。 [友人のジョバンニには結局「おい」とか「おまえ」と 呼ばれて振り向けるので名前を持っていなくても 不自由はしていない。 だが、子どもと家族になるなら、区別する為に いるのだろうか。] (38) 2026/04/03(Fri) 21:30:23 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒおめめがきれいなのは君の方だよ、小さいさん。 君には名前がある? きらきらさん? [星そのもののような瞳の子どもに瞳を褒められるとは 思わなくて思わず笑み零れた。 自分の顔を見たことはあるのだろうか。 空間に光を反射させる魔術を行使して、子どもの眼前に 簡易の鏡を作る。 伸ばした指はちょうど自身の瞳の位置を撫でるだろう。 因みに勿論この方法でも瞳を取り出すことは叶わない。] (39) 2026/04/03(Fri) 21:30:44 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ[大抵のことは出来る魔術師にも出来ないことはある。 この世界に実体を伴ってしまった以上、 「あちら」に渡るには肉の器を棄てる必要がある。 どうしてもと言うのなら、命を奪うことで肉の器を 剥がすことはできるだろうが、寿命を待たずに離れた 魂は「あちら」で同じ形を保てるかどうか保証できないし 何より魔術師には同族の子どもを殺すことに抵抗があった。] いいひとかはわからないけど、 わるいやつから護ってあげるよ。 [子どもにはハグの経験はないのか。 掌を合わせようとしてぐらついた身体を抱き締める。 ふたりの命の音が重なった。] (40) 2026/04/03(Fri) 21:31:08 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒそうだ、わたしの子になるのだから、 呼んでもらわないと。 「おとうさん」「おかあさん」 どっちでも良いよ。 どっちでも「なあに?」って振り向いて こうしてぎゅってしてあげる。 [魔術師はそのまま子どもを抱き上げて立ち上がった。 空に瞬く星は多くが白んできた光に呑まれ遠くなる。 明けの明星だけが、仔の行く末を見守りたいとばかり 懸命に光を送っていた。*] (41) 2026/04/03(Fri) 21:31:33 |
![]() | 【人】 謎の子ども[ ともだち?と、子どもは思わず首を傾げた。 その言葉を聞いて考えるところは幾つかあったが、 何でもかんでも口にするのは良くないことだ。 子どもは自己完結し、それから口を開いた。 ] ともだち、いるの? いなさそうなのに。 [ 盛大な無礼を放った子どもは、平然と首を傾いでいる。 目の前の大人はなんだかきらきら綺麗に見えて、 空に座する星のように映っていた。 星は星であり、友達を持つような存在ではない。 だから友達がいなさそうと言ったわけだが、 その意図を汲めるほどの語彙力が無かった。 ] (42) 2026/04/03(Fri) 23:57:31 |
![]() | 【人】 謎の子どもなまえ、ない。 きらきらさん、すき。 [ 満足気に頷き、子どもはふふんと機嫌よく笑った。 星を掴もうと無謀にも伸ばした指は、 突然現れた鏡へピタッと触れて行き先を封じられる。 鏡には、ぽかんと間抜け顔の子どもが映っていた。 確かに鏡の中の子どもの目はきらきらとしているが、 やはり、目の前の大人ほど綺麗には思えない。 警戒するように、子どもは眉をきゅっと寄せた。 ] これ、だれ。 まねしないで…… [ 鏡に映った姿は見知らぬ他人だと思っているらしい。 あっちいけ、とべしべし鏡を叩いたところで、 他人が自分と全く同じ動きをしていることに気が付いて 怖々と叩くのをやめることにした。 ] (43) 2026/04/03(Fri) 23:57:45 |
![]() | 【人】 謎の子ども[ 子どもを抱きとめた大人の体は温かく、 星雲のように寒々しくはなかった。 抱き上げられればその分だけ視線は高くなり、 夢が散るように白む空がよく見える。 ] おとうさん? おかあさん? どっちでもいい、こまる…… [ 子どもは一生懸命考えるために顔を顰め、 幾度も魔術師の瞳を覗いて、顔を眺めた。 呼び方を決めろと言われると悩んでしまうけれども、 ぎゅっとしてもらえるなら条件としては悪くない。 悪くない、というより「嬉しい」と呼ぶのがピッタリだが 子どもは少しばかり、見栄を張っていたい生き物だった ] (44) 2026/04/03(Fri) 23:57:54 |
![]() | 【人】 謎の子どもなまえ、つけて。 わたしのも、あなたのも。 それ、よびたい。 おほしさまも、おたがいのこと、よんでた。 だからわたし、それがいい。 [ 名案!とばかりに何度もこくこくと頷いて、 子どもは明けてゆく空を見る。 星は光に紛れて、夜までの間姿を消そうとしていた。 そこにいるはずなのに、見当たらなくなる。 見えなければ誰も星があることを証明できない。 迷子になったような気持ちを誤魔化すように、 魔術師の服を握りしめた。** ] (45) 2026/04/04(Sat) 0:00:42 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ[あはは、と魔術師は笑った。 こんな小さな子にも魔術師の本質が宿っている。 純粋で、「違い」に敏感ないきもの。 互いを尊重すると言えば聞こえは良いが 違うものと共生することを本能的に忌避する 「群れない」性質を持ったもの。] いるんだ。 しょっちゅう遊びに来るから、紹介するよ。 [人間だけど、人間よりも植物が好きな変わり者。 此方から外には何も持って出られないのに、 外から色んなものを持ち込んでくれるお人好し。] (46) 2026/04/04(Sat) 11:13:00 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒそう。君にも名前がないんだ。 同じだね。 [子どもに名前がないことは自然と理解できた。 それをずっと不自由だとも寂しいとも感じてこなかったのも同じ。 自己を見つめたことはないだろうと見せた鏡は やはり子どもにとっては未知の体験のようだった。] これは君だよ、小さいさん。 ほら、大きなおめめにちゃんと星がある。 綺麗でしょう? [警戒心のまま攻撃していた子どもの手が止まる。 それを握って鏡像に触れさせれば、鏡には魔術師の 細く長い指も映った。 顔も傾けてみると、二つ並んだ菓子色の肌を 二人ともが視認できる。 こうしてみると、血縁関係はないのに、ふたりはとても よく似ているように思えた。 魔術師が子どもの頃、鏡という概念を持っていなかった から、覚えはないけれど、きっとこんな見た目だっただろう。] (47) 2026/04/04(Sat) 11:13:52 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ[抱き上げた子どもには体温があり、それでいて 人間ではないことの証左のように何の匂いもしなかった。 これから先、摂取したものや経験によって、 子ども自身の匂いも獲得していくことになるのだろう。 その環境を整えるのが「親」であるという知識はあれど、 両性具有故に自己を父親とも母親とも断定できず、 どっちでも振り向こうとした強欲を子どもに咎められる。] 困るかぁ……そうだね。 友達に「おかあさん」とか「おとうさん」と 呼ばせるのも、本当のご両親の立場を盗むみたいで 良くないし、わたしも名前を持つべきなのかも しれないな。 [抱き上げたまま、夜が明けきる前に家へと歩き出す。 星が遠くなるのを子どもから隠すように。] (48) 2026/04/04(Sat) 11:15:05 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ「きらきらさん」はもう星ではないから、 地上のきらきらの名前をもらおうかな。 「コーヒ・ヌール」、一番大きくてきらきらした 石の名前だよ。 長くて呼びにくければ「コヒ」って縮めてもいい。 [前に立つとノブを回さずとも扉が開く。 森の外の人間たちは靴のまま住居で過ごすが、 魔術師はその暮らしが気に入らないのでドアの前で 靴を脱いだ。 子どもの小さな靴も脱がせれば、自分の靴と並べて 置いて、部屋に入った。] (49) 2026/04/04(Sat) 11:15:54 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ今は小さな靴も、いずれは大きくなるだろうから 「小さいさん」って呼び方も駄目だね。 ディアと呼ぼうかな。 [dearと綴れば親が子を呼ぶ時、恋人同士が互いを呼ぶ 時の一般的な呼称でもあるが、 diaと綴り「ダイア」と発音すれば、自分の個体名に 選んだ宝石の区分を指すものになる。 気に入らなければ他の候補を考えよう。 ふたりの生活はまだ始まったばかりだ。] (50) 2026/04/04(Sat) 11:16:20 |
![]() | 【人】 はじまりの魔術師 コヒ何か飲む? それともベッドを用意しようか。 もう朝だけど。 [窓から差し込む光には、星の気配はもうない。] おはよう、ディア。 [魔術師は愛し子を呼んで、頬と頬をぴたりとつけた。 親にそうされた記憶もないのに、長く観察してきた 人間の親を模倣して。**] (51) 2026/04/04(Sat) 11:17:07 |
![]() | 【人】 謎の子ども[ 名前とは個体名を識別する必要がある時に付与されるもの。 星々が囁き合うだけなら名前など個々には不要であり、 魔術師にも子どもにも名が無いのは必然であった。 鏡の中を見知らぬ他人だと思い込み、 攻撃していた小さい手がスっと引っ込んでいく。 怯えて逃げたり大人に救いを求めるのではなく、 自分で追い払おうとジタバタするあたり 幼子は存外気が強いようだった。 ] ともだち、よぶの? おとうさん、おかあさんって? へん。 おなまえ、ひつよう。 [ まるで仕方の無い子どもを言い含めるような調子で、 大真面目な顔でこくりと子どもは頷いた。 どうやらアドバイスしたつもりらしい。 見目は不思議なほどに共通点の多い二人でも、 幼さゆえか、性格面は違いが見えた。 ] (52) 2026/04/04(Sat) 18:59:50 |
![]() | 【人】 謎の子どもこーひー? [ それは人間が好む飲料だ。 どうやら違うらしい、と目をぱちぱち瞬かせてから、 むうと子どもは唇を突き出して、あい、と首肯した。 ] コヒ。 こっち、よびやすい。すき。 [ 幼子の菓子より甘い滑舌でも言いやすく、 大人の耳にもきちんとした形で聞き取れることだろう。 靴を脱がされる時はされるがまま、 終わった時、子どもはぷらぷらと足を揺らしていた。 二人の分が並ぶと、自分の靴の小ささが際立つ。 幼子は大人ぶってコヒのものを履き直そうとしたが、 それより先に、名付けの気配に頭を上げた。 ] (53) 2026/04/04(Sat) 18:59:56 |