人狼物語 三日月国


320 【身内】月に叢雲、宵の夢 RSS
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【人】 はじまりの魔術師 コヒ


 小さいさんのおうちはどこ?
 どこかに行くところだったのか、帰ろうとしてたのか。
 だれかと一緒ではなかった?


[魔術師はしゃがんだまま問いかける。
子どもの身なりはみすぼらしくはない。
口減らしに棄てられたという訳ではなさそうだが……*]
(24) 2026/04/02(Thu) 21:35:06

【人】 謎の子ども   

 

[ 周りには、という言葉に子どもは首を傾げた。>>21
  自分が小さい自覚がないのは、
  単に比較対象の知識や見聞が無かったせいだ。
  が、それを言える程に言語中枢は発達しておらず、
  子どもは「んむ」と曖昧な返事をこぼす。 ]


  じょーず。


[ 鸚鵡返しをして胸を張った。
  小さな拍手がまるで自分の舞台装置であるかのように
  自信たっぷりな顔で、腰にちいさな手を当てる。
  誰に教わったわけでもなく、
  単なる児戯めいた仕草だった。 ]

 
(25) 2026/04/02(Thu) 22:09:41

【人】 謎の子ども   

 

[ 乾いた音と一緒に光が弾ける。
  目の前の大人は自分と同じ存在という証左だったが、
  子どもはそれを理由に警戒を解く仕草はなかった。
  解くだけの警戒心がなかっただけである。 ]


  すんでるの?
  にんげんみたい、おうち。


[ 目を凝らしたら、と教わったとおり
  星間のような凪いだ双眸には魔術師の家が見えた。
  人間の家みたいだと言い放った子どもの顔は、
  自分の目で見てきたものを思い返すというよりも
  器に宿った知識を掘り返しただけのようだ。 ]

 
(26) 2026/04/02(Thu) 22:09:50

【人】 謎の子ども   

 

[ 問われ、子どもは首を傾げる。
  「うーん」と大人ぶって暫し沈黙の音を沈め、
  遅れて口を開いた。 ]


  おうち、あそこ。


[ 指差したのは前でも後でも左右でもなく、
  魔術師ですら遠い、空に横たわる星雲だった。
  空に鎮座し燦然と煌めく星々は、
  その身を燃やす焔を光のように地上へ届けている。

  星、或いは輪廻する魂の通り道。
  天に座する光を「家」と称する子どもの顔は、
  少なくとも、嘘でも適当でもない。 ]

 
(27) 2026/04/02(Thu) 22:09:57

【人】 謎の子ども   

 

  いっしょ、わかんない。
  でも、ゆめ、みてた。

  なんだっけぇ……


[ ぐぬぬと雲隠れした記憶を手繰るうちに、
  ふと、子どもは魔術師を見て瞬きをした。

  長い髪、綺麗な瞳、甘そうな色の肌。
  高くもなく低くも聞こえない声。
  じろじろと不躾に、無遠慮に眺め、眉を寄せる。 ]


  おっきいひと、どっち?


[ 男か女かを聞いているのだが、
  子ども特有の端折り方や不足する語彙力では
  謎の質問にしかなっていないかもしれない。* ]

 
(28) 2026/04/02(Thu) 22:10:06

【人】 はじまりの魔術師 コヒ

[仕草は幼児のそれであるが、精神はずっと大人びている
ように見える。
魔術師は長命だから、幼く見えて実際はそれほど
「小さいさん」ではないのかもしれない。

現に、姿を捉えた住処を称して「にんげんみたい」と
魔術師が人間ではないことを既に理解していなければ
出ない表現をしている。>>26]


 人間の真似をしてつくったからね。
 魔獣の住処を真似たこともあるけど、この器は
 濡れた地面に直接寝るには向いていない構造だったから。


[にんげんみたい、と言えるのは人間の住処の形状を
知っていないと言えない。
やはり人間の中で育てられたのだろうかと思っていれば]
(29) 2026/04/02(Thu) 22:36:14

【人】 はじまりの魔術師 コヒ



 あそこ……ああ、


[魔術師は瞬いた。

ああそうか。

自分も、かつていた場所だという確信がある。
どんな場所か、他に誰かいたのかすら思い出せないけれど。

物理的に、異なる星の土地を指しているのではなく、
現世においては目を凝らしても上手く見られない場所。

あそこから零れてきた、、、、、のか。]
(30) 2026/04/02(Thu) 22:36:31

【人】 はじまりの魔術師 コヒ

[艶のある髪、星が棲む瞳、甘そうな色の肌。
子ども特有の高めの声と少し舌足らずの発音。
忙しなく動く瞳に身体がスキャニングされているのを
感じた。
その上で「どっち」と言うのなら、所謂「性別」のことだろう。

ふ、と笑う。]


 どっちもだよ。
 おとうさんにもおかあさんにもなれるの。


[生殖器官は後付けした記憶がある。
元々は無性だったのかもしれないが、人間を観察する内に
性器に興味が湧いてつけることにした。
慾は感じたことがないが、恐らく機能としてはどちらも
問題なく使用できる筈。]
(31) 2026/04/02(Thu) 22:36:51

【人】 はじまりの魔術師 コヒ


 思い出せない夢なら思い出さなくて良いよ。
 おっこちて来たなら、もうあそこには暫く還れない
 だろうしね。

 とりあえず、「こっち」では、小さいさんが一人だと
 色々面倒なことが起きそうだから、わたしの子になる
 のはどうだろう?


[魔術師はしゃがんだまま両手を広げた。
観察で学んだ人間の親子が愛情を確かめる為にする
動作を真似たのだが、子どもには通じるだろうか?**]
(32) 2026/04/02(Thu) 22:37:15

【人】 謎の子ども   

 

[ 魔獣の住処は肉の器には向かないらしい。
  子どもは新たに仕入れた知識へ、したり顔で頷いた。
  あの種族は住処や巣穴の作り方も多岐に渡る生き物だが、
  人間なら程度の差はあれ大枠は同じだ。
  濡れた地面に寝てみたいという欲は湧いたが、
  それについては口を噤むことにして。 ]


  おほしさま、きらきら。
  おはなし、いっぱいしてたの。


[ どんな話をしていたかなどは憶えていないが、
  夢想めいた言葉を、幼子はそれでも懸命に紡いだ。
  子ども特有の突拍子のない妄想癖だと言われないのなら
  やっぱりこの人は、己にとっての安全地帯に見える。 ]

 
(33) 2026/04/03(Fri) 14:13:02

【人】 謎の子ども   

 

  どっちも?


[ 質問の意図は正確に汲み取られたらしい。
  が、どちらでもあってどちらでもないと言うことは、
  子どもの知識欲は然程は埋まらなかったようだった。 ]


  じゃあ、あなた、どうよぶの?
  おなまえ、ある?
  おめめきれいだから、きらきらさん?


[ 恐らく​──というより確実にそんな名前ではない。
  目に映った喩えやすいものを口にしただけだ。
  好奇心のままに指先で相手の両目をついてしまいそうな、
  そんな幼さが子どもにはあった。

  が、さすがに幾ら綺麗でも人体の目は取り外し出来ない。
  少なくとも、普通に触れるだけでは。
  本能的な理解のまま、子どもは指だけ彷徨わせる。 ]

  
(34) 2026/04/03(Fri) 14:13:10

【人】 謎の子ども   

 

  ……かえれないの?


[ 子どもはそこでようやく泣きそうな顔をして、
  顔を上げ、空を見た。
  いくら待とうが星々の囁きは聞こえては来ないし、
  月雲の秘めやかな声だって鼓膜を揺らしはしない。

  途端に心細いような気持ちになり、
  胸元をぐしゃりと握りしめ、子どもは俯いた。
  さっきまで意気揚々と道を進んで冒険する気があったのに
  今は潰えた夢のような淡さでしか、
  好奇心が残っていない。

  が、子どもがその不安のまま泣き出すよりも先に、
  魔術師が両手を広げたのが視界の端に映って
  子どもはもにょもにょと唇を動かし、それから頷いた。 ]

  
(35) 2026/04/03(Fri) 14:17:48

【人】 謎の子ども   

 

  おせわ、なる。
  あなた、きっと、いいひと。


[ それは魔術師長に対する魔術師の本能なのか、
  或いは器の導きなのかは、子どもにも分からなかった。

  広げられた腕の意図を確かめるように見つめ、
  なぁに?とばかりに首を傾ぐ。
  子どもは相手の準えたものなどなにも知らないまま、
  懸命に両手を広げ返し、相手と自分の手のひら同士を
  ぱちん!と重ね合わせようとした。

  が、当然大人と子どもでは広げる範囲に違いがある。
  勢いのまま前に蹴躓き、「ぁわ」と間抜けな声が出た。** ]

  
(36) 2026/04/03(Fri) 14:21:47

【人】 はじまりの魔術師 コヒ

[子どもと自分は同じ場所由来だという確信はあるものの、
子どもの言う「おほしさま」「おはなし」については
何も思い出せない。
人間にも胎内記憶がある者とない者とがいるらしいので
憶えていないのは個性だと片付けることにした。

勿論、子どもの話がつくり話だと疑う気持ちは微塵もない。
うんうん、と子どもの話に相槌を打つ。

元いた場所は子どもにとってとても居心地の良い場所
だったのだろう。
空の彼方について話す子どもの瞳は夜空の星をそのまま
埋め込んだようにきらきらしていた。]
(37) 2026/04/03(Fri) 21:30:11

【人】 はじまりの魔術師 コヒ

[星の仔は人間の子と同じように好奇心旺盛であるらしいが
星に知識を置いてきたのか、それとも単にまだ身にある
情報量が少ないのか、両性具有についてはピンと
きていない様子だった。]


 わたしに名前はないよ。
 そういえば、友達にも聞かれたんだっけ。
 群れにいるなら区別する為の名称はあった方が
 便利だろうけど、ひとりでいるからね。


[友人のジョバンニには結局「おい」とか「おまえ」と
呼ばれて振り向けるので名前を持っていなくても
不自由はしていない。
だが、子どもと家族になるなら、区別する為に
いるのだろうか。]
(38) 2026/04/03(Fri) 21:30:23

【人】 はじまりの魔術師 コヒ


 おめめがきれいなのは君の方だよ、小さいさん。
 君には名前がある?
 きらきらさん?


[星そのもののような瞳の子どもに瞳を褒められるとは
思わなくて思わず笑み零れた。
自分の顔を見たことはあるのだろうか。
空間に光を反射させる魔術を行使して、子どもの眼前に
簡易の鏡を作る。

伸ばした指はちょうど自身の瞳の位置を撫でるだろう。
因みに勿論この方法でも瞳を取り出すことは叶わない。]
(39) 2026/04/03(Fri) 21:30:44

【人】 はじまりの魔術師 コヒ

[大抵のことは出来る魔術師にも出来ないことはある。
この世界に実体を伴ってしまった以上、
「あちら」に渡るには肉の器を棄てる必要がある。
どうしてもと言うのなら、命を奪うことで肉の器を
剥がすことはできるだろうが、寿命を待たずに離れた
魂は「あちら」で同じ形を保てるかどうか保証できないし
何より魔術師には同族の子どもを殺すことに抵抗があった。]


 いいひとかはわからないけど、
 わるいやつから護ってあげるよ。


[子どもにはハグの経験はないのか。
掌を合わせようとしてぐらついた身体を抱き締める。
ふたりの命の音が重なった。]
(40) 2026/04/03(Fri) 21:31:08

【人】 はじまりの魔術師 コヒ


 そうだ、わたしの子になるのだから、
 呼んでもらわないと。
 「おとうさん」「おかあさん」
 どっちでも良いよ。
 どっちでも「なあに?」って振り向いて
 こうしてぎゅってしてあげる。


[魔術師はそのまま子どもを抱き上げて立ち上がった。
空に瞬く星は多くが白んできた光に呑まれ遠くなる。
明けの明星だけが、仔の行く末を見守りたいとばかり
懸命に光を送っていた。*]
(41) 2026/04/03(Fri) 21:31:33

【人】 謎の子ども   

 

[ ともだち?と、子どもは思わず首を傾げた。
  その言葉を聞いて考えるところは幾つかあったが、
  何でもかんでも口にするのは良くないことだ。
  子どもは自己完結し、それから口を開いた。 ]


  ともだち、いるの?
  いなさそうなのに。


[ 盛大な無礼を放った子どもは、平然と首を傾いでいる。
  目の前の大人はなんだかきらきら綺麗に見えて、
  空に座する星のように映っていた。
  星は星であり、友達を持つような存在ではない。
  だから友達がいなさそうと言ったわけだが、
  その意図を汲めるほどの語彙力が無かった。 ]

  
(42) 2026/04/03(Fri) 23:57:31

【人】 謎の子ども   

 

  なまえ、ない。
  きらきらさん、すき。


[ 満足気に頷き、子どもはふふんと機嫌よく笑った。
  星を掴もうと無謀にも伸ばした指は、
  突然現れた鏡へピタッと触れて行き先を封じられる。

  鏡には、ぽかんと間抜け顔の子どもが映っていた。
  確かに鏡の中の子どもの目はきらきらとしているが、
  やはり、目の前の大人ほど綺麗には思えない。
  警戒するように、子どもは眉をきゅっと寄せた。 ]


  これ、だれ。
  まねしないで……


[ 鏡に映った姿は見知らぬ他人だと思っているらしい。
  あっちいけ、とべしべし鏡を叩いたところで、
  他人が自分と全く同じ動きをしていることに気が付いて
  怖々と叩くのをやめることにした。 ]

  
(43) 2026/04/03(Fri) 23:57:45

【人】 謎の子ども   

 

[ 子どもを抱きとめた大人の体は温かく、
  星雲のように寒々しくはなかった。
  抱き上げられればその分だけ視線は高くなり、
  夢が散るように白む空がよく見える。 ]


  おとうさん? おかあさん?
  どっちでもいい、こまる……


[ 子どもは一生懸命考えるために顔を顰め、
  幾度も魔術師の瞳を覗いて、顔を眺めた。
  呼び方を決めろと言われると悩んでしまうけれども、
  ぎゅっとしてもらえるなら条件としては悪くない。

  悪くない、というより「嬉しい」と呼ぶのがピッタリだが
  子どもは少しばかり、見栄を張っていたい生き物だった ]

  
(44) 2026/04/03(Fri) 23:57:54

【人】 謎の子ども   

 

  なまえ、つけて。
  わたしのも、あなたのも。

  それ、よびたい。
  おほしさまも、おたがいのこと、よんでた。
  だからわたし、それがいい。


[ 名案!とばかりに何度もこくこくと頷いて、
  子どもは明けてゆく空を見る。

  星は光に紛れて、夜までの間姿を消そうとしていた。
  そこにいるはずなのに、見当たらなくなる。
  見えなければ誰も星があることを証明できない。
  迷子になったような気持ちを誤魔化すように、
  魔術師の服を握りしめた。** ]

  
(45) 2026/04/04(Sat) 0:00:42

【人】 はじまりの魔術師 コヒ

[あはは、と魔術師は笑った。
こんな小さな子にも魔術師の本質が宿っている。
純粋で、「違い」に敏感ないきもの。
互いを尊重すると言えば聞こえは良いが
違うものと共生することを本能的に忌避する
「群れない」性質を持ったもの。]


 いるんだ。
 しょっちゅう遊びに来るから、紹介するよ。


[人間だけど、人間よりも植物が好きな変わり者。
此方から外には何も持って出られないのに、
外から色んなものを持ち込んでくれるお人好し。]
(46) 2026/04/04(Sat) 11:13:00

【人】 はじまりの魔術師 コヒ


 そう。君にも名前がないんだ。
 同じだね。


[子どもに名前がないことは自然と理解できた。
それをずっと不自由だとも寂しいとも感じてこなかったのも同じ。
自己を見つめたことはないだろうと見せた鏡は
やはり子どもにとっては未知の体験のようだった。]


 これは君だよ、小さいさん。
 ほら、大きなおめめにちゃんと星がある。
 綺麗でしょう?


[警戒心のまま攻撃していた子どもの手が止まる。
それを握って鏡像に触れさせれば、鏡には魔術師の
細く長い指も映った。

顔も傾けてみると、二つ並んだ菓子色の肌を
二人ともが視認できる。
こうしてみると、血縁関係はないのに、ふたりはとても
よく似ているように思えた。
魔術師が子どもの頃、鏡という概念を持っていなかった
から、覚えはないけれど、きっとこんな見た目だっただろう。]
(47) 2026/04/04(Sat) 11:13:52

【人】 はじまりの魔術師 コヒ

[抱き上げた子どもには体温があり、それでいて
人間ではないことの証左のように何の匂いもしなかった。
これから先、摂取したものや経験によって、
子ども自身の匂いも獲得していくことになるのだろう。

その環境を整えるのが「親」であるという知識はあれど、
両性具有故に自己を父親とも母親とも断定できず、
どっちでも振り向こうとした強欲を子どもに咎められる。]


 困るかぁ……そうだね。
 友達に「おかあさん」とか「おとうさん」と
 呼ばせるのも、本当のご両親の立場を盗むみたいで
 良くないし、わたしも名前を持つべきなのかも
 しれないな。


[抱き上げたまま、夜が明けきる前に家へと歩き出す。
星が遠くなるのを子どもから隠すように。]
(48) 2026/04/04(Sat) 11:15:05

【人】 はじまりの魔術師 コヒ


 「きらきらさん」はもう星ではないから、
 地上のきらきらの名前をもらおうかな。
 「コーヒ・ヌール」、一番大きくてきらきらした
 石の名前だよ。
 長くて呼びにくければ「コヒ」って縮めてもいい。


[前に立つとノブを回さずとも扉が開く。
森の外の人間たちは靴のまま住居で過ごすが、
魔術師はその暮らしが気に入らないのでドアの前で
靴を脱いだ。
子どもの小さな靴も脱がせれば、自分の靴と並べて
置いて、部屋に入った。]
(49) 2026/04/04(Sat) 11:15:54

【人】 はじまりの魔術師 コヒ


 今は小さな靴も、いずれは大きくなるだろうから
 「小さいさん」って呼び方も駄目だね。

 ディア愛し子と呼ぼうかな。


[dearと綴れば親が子を呼ぶ時、恋人同士が互いを呼ぶ
時の一般的な呼称でもあるが、
diaと綴り「ダイア」と発音すれば、自分の個体名に
選んだ宝石の区分を指すものになる。

気に入らなければ他の候補を考えよう。
ふたりの生活はまだ始まったばかりだ。]
(50) 2026/04/04(Sat) 11:16:20

【人】 はじまりの魔術師 コヒ


 何か飲む?
 それともベッドを用意しようか。
 もう朝だけど。


[窓から差し込む光には、星の気配はもうない。]


 おはよう、ディア。


[魔術師は愛し子を呼んで、頬と頬をぴたりとつけた。
親にそうされた記憶もないのに、長く観察してきた
人間の親を模倣して。**]
(51) 2026/04/04(Sat) 11:17:07

【人】 謎の子ども   

 

[ 名前とは個体名を識別する必要がある時に付与されるもの。
  星々が囁き合うだけなら名前など個々には不要であり、
  魔術師にも子どもにも名が無いのは必然であった。

  鏡の中を見知らぬ他人だと思い込み、
  攻撃していた小さい手がスっと引っ込んでいく。
  怯えて逃げたり大人に救いを求めるのではなく、
  自分で追い払おうとジタバタするあたり
  幼子は存外気が強いようだった。 ]


  ともだち、よぶの? おとうさん、おかあさんって?
  へん。
  おなまえ、ひつよう。


[ まるで仕方の無い子どもを言い含めるような調子で、
  大真面目な顔でこくりと子どもは頷いた。
  どうやらアドバイスしたつもりらしい。
  見目は不思議なほどに共通点の多い二人でも、
  幼さゆえか、性格面は違いが見えた。 ]

  
(52) 2026/04/04(Sat) 18:59:50

【人】 謎の子ども   

  

  こーひー?


[ それは人間が好む飲料だ。
  どうやら違うらしい、と目をぱちぱち瞬かせてから、
  むうと子どもは唇を突き出して、あい、と首肯した。 ]


  コヒ。
  こっち、よびやすい。すき。


[ 幼子の菓子より甘い滑舌でも言いやすく、
  大人の耳にもきちんとした形で聞き取れることだろう。
  靴を脱がされる時はされるがまま、
  終わった時、子どもはぷらぷらと足を揺らしていた。

  二人の分が並ぶと、自分の靴の小ささが際立つ。
  幼子は大人ぶってコヒのものを履き直そうとしたが、
  それより先に、名付けの気配に頭を上げた。 ]

  
(53) 2026/04/04(Sat) 18:59:56

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36回 残8352pt

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9回 残9690pt

 

  
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